天文書籍「星の世界にて」
1911年にドイツで出版された一般向け天文書です。「星の世界にて」と題されていますが、星空の下、静かに佇む天文台が描かれた表紙、星々が散りばめられた見開きが題名にぴったりです。
さて、1911年と言えば世界中を巻き込んだハレー彗星接近騒動の翌年に当たります。この時は、彗星の引く尾の毒ガスに地球全体が包まれてしまうという流言飛語を信じる人も多く、様々な悲喜劇が起こりました。そのような時代ですから、天文書の中からも占星術から天文写真まで色々なものが飛び出します。
最初の方は天文史なのでしょう。「古代カバラのシンボル」や「ヴァルシュタインのホロスコープ」などのイラストがあります。しかし、月の章は月面の写真で、古めかしくもコントラストが濃い画像の数々は少し怪しいSFの世界のような雰囲気に満ちています。火星の章はご注目!「火星表面の海、陸、運河の分布図」が載っています。やはり火星の表面の模様は運河だと思われていたのでしょうか。
このように、ページをめくるたびに滲み出る滋味を味わうように、空想と科学の世界に遊ぶことこそ書籍ならではのお楽しみですね。
1911年、ドイツにて出版されました。サイズは約15×22センチ、厚さが約2センチです。
古いものですので傷みや汚れがあります。
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