博物画「シジミチョウ」
こちらは「シジミチョウ」を紹介した博物画です。蝶の中でも小型のシジミチョウを丁寧に観察したスケッチをもとにその姿を描き、そこにインクをのせて多色刷り図版を完成させています。まるで手で塗ったような微妙なグラデーションと深みのある色調、今も表面に艶を残すインクの質感、そこから湧き出す独特の雰囲気を味わっていると、古い展示室の埃の匂いまで漂ってくるようで、この感じは現代の印刷や画像では体験することができないものです。
森羅万象を記録してカタログを作りたいという願いから博物画は製作されました。モノトーンの版画に始まり、それに手彩色を施す技術が発達し、ついにクロモリトグラフによる多色刷りへとたどり着くのです。1930年代には姿を消しますが、絵画的な表現が魅力の多色刷り技法でした。
19世紀後半、イギリス、フランスないしはドイツで製作されたものと思われます。もとは博物書籍の挿絵でしたので綴じを切り離した跡がありますが、それも博物趣味の一部とご理解ください。
サイズは約11×16.5センチと比較的小型ですので、フォトスタンドなどで飾るのもよいでしょう。
古いものですので傷や汚れがあります。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。