博物画「水生生物」
こちらはどちらかと言うと原始的な水生生物を紹介した博物画です。緑藻のボルボックス、海綿、大型のアメーバ、ヒドラなど、黒を背景に、どこか点描画を思わせるテイストで陰影をつけ、複雑な構造や立体感を見事に表現しています。あくまでも博物画ですから意図したものではないのでしょうが、漆黒の闇に浮かぶように描かれたその姿は、あまりにも幻想的で、実在の生物ではないような気さえしてきます。
森羅万象を記録してカタログを作りたいという願いから博物画は製作されました。研究が進み、魚や貝類と違いあまり知られていなかったこのような生き物が一般の人々の目に触れるようになると、デザインや建築など多方面に影響を与えました。そのムーブメントに一役買ったのがこのような図版だったのです。付属のハトロン紙を被せると名前を照合することができるようになっています。この辺りにも少し博物趣味をくすぐる仕掛けがありますね。
実は、この図版は裏にも同じ水生生物のシリーズが印刷されています。同時に展示するのは難しいのですが、どうぞご覧になってお楽しみください。
こちらは、ドイツの著名な百科事典であったメイヤー百科事典の挿絵で、20世紀の初めの頃に、ライプツィヒで製作されました。サイズは約15.5×24.4センチです。
古いものですので傷や折れ、汚れがありますが。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。