銀色の光りを放つクールな月のブローチです。綺麗にカットされたペーストガラスがすっと一筋、線を描くフォルムにグラデーションで並べられ、それぞれに鋭く煌めく様は、凍る冬の夜空に冴え冴えと輝く下弦の月です。まもなく新月を迎える最後の光が闇を裂いて走ります。
台座は金メッキよりも層の厚い金張りで、しっとりと落ち着いた金の質感がシャープなシルバーととてもよく調和しています。
ペーストガラスは天然の宝石を模倣して19世紀に技術のピークを迎え、ヴィクトリア朝の高貴な人々のイブニングドレスも飾りました。こちらのお品はその直後、エドワード朝のものですが、その素晴らしい美しさはあいかわらずのようです。

1901年から1910年、エドワード朝のイギリスで製作されました。
サイズは両角の間が直線で約5.8センチです。
古いものですので全体に歪みや傷、汚れがあります。