黒薔薇の十字架
漆黒の薔薇で形作られた十字架です。浮き彫りにされたディープカップの薔薇は祝福を、しかし、全身を包む清らかで静謐な黒は亡くなった方を悼む心を表しています。
1861年、夫を失ったヴィクトリア女王は喪に服し、その期間は10年以上にもおよびました。それに伴いイギリスの社交界でも煌びやかなジュエリーセットは影を潜め、喪服にふさわしいブラックのモーニングジュエリーが広まったのです。その素材は、本来、木が化石化したジェットなのですが、産出量が少なく、いくつかの代替品が用いられました。
こちらのお品はそのひとつ、ヴォルカナイトが使用されています。これは黒く染めたゴムを主原料としていますが、大振りな姿の割には軽量で、木質感もあり、見事な仕上がりのモーニングジュエリーです。
死を想い、今を精一杯生きる、静かな祈りが形になった美しいクロスです。
1880年代、ヴィクトリア朝のイギリスで製作されました。サイズは約4.9×9センチ、チェーンは現行品で長さが約60センチです。
下部左側に小さな欠けがあり、また、古いものですので傷、汚れがあります。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。