白瑪瑙のブローチ
宇宙の遥か彼方にある光の海。それを背景にたなびく星雲。この白瑪瑙の中に遠い宇宙が息づいています。厚く膨らみがある半透明のカルセドニーが柔らかく光を含み、斜めに横切る白い模様がぼんやりと湧き上がるような不思議な遠近感を見せてとても幻想的です。
台座は明るい金色に細やかな彫刻を施したピンチベックです。ピンチベックは1720年頃にクリストファー・ピンチベックによってロンドンで考案された合金で、当時の純度の高い金の色彩とよく似ていたことからとても人気があり、19世紀前半まで手の込んだ細工の品が多く作られました。しかし、その製法が門外不出であったために、次第に他の素材にとって代わられ、19世紀後半以降は使用されなくなりました。そのため、製法は伝承されず、今となってはその詳細は不明の素材となっています。
こちらは19世紀初めから前半、ジョージ朝からヴィクトリア朝の初期に製作されたもので、まさにピンチベックの全盛期のものです。手の込んだ細工に宿るエレガントな輝きが、白瑪瑙のブローチをより神秘的にしています。
サイズは約4×3センチです。使用されている白瑪瑙、ピンチベックについては買い付け時の情報により、その後、正式な鑑定はしておりません。
白瑪瑙の裏面に薄いクラックがあります。また、古いものですので傷、汚れがあります。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。