古い水彩絵の具
古い固形の水彩絵の具です。使った形跡があり、忘れられたアトリエに置き去りにされた画材箱から持って来たような雰囲気が濃厚に漂っています。使用されれば消えてしまうものなのですが、どうして、その意匠はなかなか興味深いものがあります。
WINSOR & NEWTONのコバルトブルーは、社名の裏に、頭部がライオン、尾が蛇で、胴体には羽根を生やしたキメラが浮き彫りになっています。もうひとつのマダーブラウンもWINSOR & NEWTONのもので、特になんということもないのですが、古色の中に浮かび上がった文字のフォントにどこか魅かれるものがあります。
みっつめのヴァーミリオンは凝っています。王室の紋章が浮き彫りにされ、周囲のリボンはガーター勲章で、そのモットー"HONI SOIT QUI MAL Y PENSE"「思い邪なる者に災いあれ」がフランス語で記されています。メーカーは不明ですが、少し使用されて全貌が見えないところがかえって面白いですね。
今でも使えるかもしれませんが、試してみるわけにもいかないので、はっきりと断言はできません。ちょっと使ってみてもよし、いつ、どこで、だれが、どんな絵を描いていたのだろうなどと想像を巡らせるのもよいでしょう。遠い時の彼方からやって来た古い画材をお供に、どうぞお気に召すままにお楽しみください。
製作年の詳細は不明ですが、20世紀前半までのイギリス製と思われます。
サイズは、コバルトブルーが約2.5×1.8センチ、厚さが約0.6センチです。以下、同様にマダーブラウンが約2×1.2×0.5センチで、これは未使用のようです。ヴァーミリオンが約1.8×1.6×0.7センチです。
どれも古いものですので傷、汚れがあります。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。