神秘学アルファベット「悪政」
イエレミアス・ドレクセルによる「神秘学アルファベット」からの一枚。アルファベットごとに罪が割り当てられています。日本語で言うと「『あ』は『あざむき』の『あ』」というような感じでしょうか。ラテン語です。
こちらの図版は「Cの罪-悪政-」で、描かれているのは「ファラリスの雄牛」。これは有名な拷問器具で、真鍮製の雄牛の中に人間を閉じ込め、炙り焼きにするというものです。閉じ込められた人間の苦悶の声が、特殊な音響効果になって雄牛の鳴き声のように響いたとか。まさしく悪政ですね。
作者のイエレミアス・ドレクセルはバイエルンの宮廷に仕えた説教師で、図解を使った説教は大変人気があったそうです。1680年ドイツ製。大変古いものですので紙にシミなどがありますが、図版ははっきりご覧いただけます。サイズは、図版部分が約18.5×14センチです。
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