様々なネコの日常を生き生きと描いたカードで、その名も"DE KATTEN"「ネコたち」というシリーズです。動画はもちろんカラー写真もない時代に、表情豊かなネコたちをどのように描くか、工夫を凝らした表現が素敵です。複雑な色彩、躍動する造形、さらにそのネコがいる環境まで雰囲気も豊かに描いているのです。印刷も今とは違うリトグラフで、とても絵画的ですね。
19世紀、冷却器にその名を残すリービッヒという高名な化学者がドイツにいました。彼は食品に関する研究をもとに肉エキスを考案し、ロンドンに会社を設立して栄養補助食品として売り出すのですが、直後、栄養学的にはあまり意味がないことがわかってしまいます。しかし、この肉エキスは売れ続けました。美味しかったのです。そのようなわけで嗜好品として成功した肉エキスにつけられたおまけがこのカードで、その名もリービッヒカードと呼ばれました。これには様々なシリーズ、ヨーロッパ中の様々な言語の版が作られ、その美しさからコレクターも生まれています。ちなみにこの肉エキスは、現在では、歴史的に加工食品の始まりと認識されています。

こちらは20世紀の初めに発表されたオランダ語版で、6枚のコンプリートセットです。サイズは約7×11センチです。
古いものですので若干の傷や汚れがありますが、時代の割りにはよい状態です。