18世紀の終わり、革命前夜のフランスでは、優美でありながら調和のとれたデザインが多く見られました。こちらのフレームも古代ローマの影響を感じさせる整ったデザインでありながら、細やかな植物の浮き彫りなどがバランスよく施されており、そこには華美に走らないエレガントさが漂っています。
こちらのお品は、そんなルイ16世の治世の様式を踏襲して20世紀の初め頃までにフランスで製作されたものです。これ自体も古いものですので、どこか忘れ去られたお屋敷にでもあったような雰囲気が素敵です。
せっかくですから清らかな美しさを湛えたフランスのホーリーカードを飾ってみました。周囲のレース状の切り紙細工はカニヴェと申しまして、修道院などで修道女たちによって製作されたとも言われています。聖体拝領の衣装をまとった少女が精緻に描かれていますが、実際に聖体拝領を受けた記念に求められたカードで、フレームとほぼ同時代のものと思われます。
当時も、実際にこのように飾られることがあったことでしょう。どうぞおそばに置いて、時空を超える旅へのお供になさってください。

サイズはフレームの全体が約9.5×15センチです。
裏面のネジを外すと金属の板を取り外して展示するものを入れ替えられます。ネジは6本中3本が欠損しておりますが、金属板を固定することはできます。
古いものですので傷、汚れがあります。