ブロンズが長い長い時を経て深く滑らかな飴色になりました。もはや唯一無二となったその素材で浮き彫りにされた花束を見ていると、はるか昔に魔法で封じ込められた薔薇などの花たちが、今、ゆっくりとその姿を浮かび上がらせて来たような思いに駆られます。古い伝説で耳にしたものが、突然目の前に現れたと申し上げればよいのでしょうか。
そこにうっすらと"DANIEL"と彫られています。これはこの浮き彫りの作者なのか、このレターオープナーを贈られた人なのか、はたまた遠い昔、このブロンズの塊に花を封じ込めた魔術師なのでしょうか。
はるかな時間の流れが夢と現の境を曖昧にしてしまいました。どうぞこのお品を、夢の世界からあなた様のお手元へとお迎えください。

19世紀から20世紀の初めの頃までのフランス製と推定され、サイズは全体が約20.5センチです。
古いものですので傷、汚れがあります。