デザイン、紙質、印刷とどれをとっても今では目にすることができない、レトロな雰囲気に溢れたカードです。絵札の人物は妙に表情が豊かで、印刷には力強さがあり、ざらっとした紙の手触りも私たちを過去の世界へと誘います。
32枚ひとセットと聞くと不思議に思われるでしょうが、これは19世紀、フランスで作られた古いカードゲーム"piquet"「ピケ」用のセットで、「ピケ・デック」と呼ばれ、2から6までの数字のカードが抜けているのが古典的なスタイルなのです。通常のトランプよりもカードは少ないのですが、点数制で細かいルールがあり、手札がなくなったら勝ちなどの単純なものとはかなり趣の違うゲームです。
ピケの起源ははっきりしないのですが、1534年のガルガンチュワ物語にその名前が登場します。その後、2人でプレイするゲームとして、ルールの変遷を繰り返しながら数世紀は続くのですが、1920年以降、衰退してひっそりと消え去ってしまいました。
古いカードを眺めながら、今は廃れてしまったゲームやそれを楽しんだかつての人々に想いを馳せてみてはいかがでしょうか。

サイズは約3.3×4.8センチです。
今回、4セットご用意しました。表に巻いてある紙のデザインがスペード、クラブ、ハート、ダイヤのクイーンの4種類ありますが、中のセットは全て同じです。
なお、クラブのクイーンの巻紙に2.5センチ程度の破れがありますので、ご了承ください。
また、どのセットにも、裏面に下のカードの模様のインクが写ってしまっているものがあり、古いものですので傷、汚れがあります。