黒みを帯びた銀色がどこまでも深く複雑な色彩となり、輝きを剥ぎ取られた金属に改めて滑らかな艶が宿る、長い時の流れだけが生み出す見事な質感の水差しです。表面にはうねる植物の曲線模様が施され、その細やかなタッチと降り積もる古色で濃くなった陰影が相まって、どこか神秘的な雰囲気すら漂っています。
そのまま飾っても存在感がありますし、花瓶にして生花を活けて光と影の対比を楽しんでも、また、ドライフラワーを飾って過ぎ去る時の景色を眺めるのも素敵だと思います。他にも楽しみ方は色々とあるでしょう。さて、あなたはこの古いものとどのように過ごされますか。

本来、水差しとして作られたものですが、汚れ、錆などがありますので、食器としてのご使用はお奨めしません。

19世紀、フランスで作られたものと思われます。サイズは高さが最大約10.5センチ、開口部が約4.5×6.5センチです。
古いものですので前述の汚れ、錆の他に傷、へこみがあります。