色彩博物画「クラゲ」
空想科学小説の一場面のようですが、これはクラゲを描いた博物画です。カラー画像や動画などのない時代に水面を漂うクラゲをどう表現するか。その工夫の果てにこの幻想的な美しさのクロモリトグラフが生まれました。
深淵を感じさせる深緑の海が陸地に近づくと陽光に照らされて薄いオレンジに変わり、そこに浮かぶ帆船やその向こうの岩山もほんのりオレンジ色に染まっています。オレンジとブルーの空は朝焼けでしょうか、それとも夕暮れでしょうか。そこからクラゲたちが列をなし、生体のスケッチをもとにしたのでしょう、その姿が神秘的な色彩、立体感と陰影をまとって描かれています。
背景からクラゲの描写まで、当時の素晴らしいセンスが感じられ、全体をぼんやりと靄がかかったようなタッチにしたところも、まるで夢を見ているようでとても魅力的です。
19世紀の終わりから20世紀の初め頃、ドイツのメイヤー百科事典の挿絵としてライプツィヒで製作されました。
サイズは約16×24センチです。古いものですので若干の傷や汚れがあります。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。