天文図版「太陽」
19世紀、ウィーン大学教授で天文台長ともなったエトムント・ヴァイスの観測、スケッチによる太陽です。まずは表面の黒点を記録した絵ですが、科学者の冷静で理知的な眼を通すとあの輝かしい太陽の姿が一変し、宇宙の闇に浮かぶ謎を秘めた巨大な恒星として我々に迫ってくるようです。
下には皆既日食で観測されたコロナ、右には太陽フレアのスケッチもあります。これらを見ると、太陽の観測は他の惑星のそれとはひと味もふた味も違い、頭上で輝く古代からよく知られた天体でありながら実は全く未知の現象が繰り広げられているものとして扱われていたように感じられます。そして、そこには宇宙の中心の座に対する畏敬や憧れの念もあったことでしょう。この静かな迫力に満ちた絵からもそれが伝わってくるように思います。
19世紀、ドイツで出版された一般向け天文学書籍の挿絵で、色彩リトグラフで印刷されています。サイズは約22×31.5センチです。
綴じからはずされた跡があり、古いものですので切れや傷、汚れがあります。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。