伸びやかな植物の花と葉を様式化した文様を中央に堂々と配し、周囲にも装飾的に散りばめた金属製の襟留めです。有機的な曲線を描く植物を硬質な金属で表現すると、生命の営みを瞬時にそして永遠に停止させたような不思議な雰囲気が漂います。古色による黒みが陰影を深め、最小限に残された艶がこの意匠に優雅で重厚な存在感を与えています。
この襟留めは "boucle de cape" と申しまして、コートやマント、ケープなどの襟に縫い付けてバックルとして使います。デザインの中に糸を通してお手持ちの衣装に縫い付けてお使い下さい。

19世紀から20世紀の初めの頃までのイギリス製です。サイズは1点が約5.3×6.5センチです。
古いものですのでフックや環、本体に歪みがあり、若干の傷、汚れがあります。