身構える立派な角の雄鹿、気力を漲らせ躍動する猟犬、舞う小鳥たち、ボヘミアの森の生い茂る木々の中で展開する豊穣の劇の一幕です。しっとりと艶やかで透明感のあるボヘミアンガラスをクリアと彩色の二層に重ねてその表面を削ることで、この黄金の森を見事に描きあげました。
全体が音や風まで感じられるような素敵な景色で埋め尽くされていますが、持ち手にもご注目！そこにも小鳥と木々が細やかに彫られています。ボヘミアンガラスの中でも手の込んだ細工で、全体を眺めているとまるで森に迷い込んだように感じられます。
とろりと濃厚な蜂蜜が垂れたようなフォルムも魅力的なガラス器ですが、本来、ボンボニエールはアーモンドの砂糖菓子ドラジェを詰めてお祝い事に来てくださったお客様に差し上げるための器です。さて、皆さんは何を入れてお楽しみになりますか。何も入れずに飾っても、その黄金の光で周りの皆さんを祝福してくれることでしょう。

20世紀初頭までのチェコ製で、サイズは直径の最大が約9センチ、全体の高さが約15センチです。
開口部の縁に欠けがあります。また古いものですので傷、汚れがあります。