古い箱に入った二種類の疑似餌です。釣りに用いられる疑似餌は種類によってルアー、フライまたはニンフとも言われます。まさに色々な姿のニンフが集まったような方がウイッカムズ・ファンシー、柄を取ったスプーンのような形状の方はその名の通りスプーンと呼ばれます。スプーンは1800年代前半に、ウイッカムズ・ファンシーはイングランド南部の小川で使うために1880年代に考案された、どちらも主にサケ科の淡水魚トラウトを釣るためのイギリスの伝統的な疑似餌です。
古びた箱はオリジナルで、オールコックスという社名とトラウトフライズの記載が見えます。こちらのメーカーも1800年代半ばにイギリスで創業した老舗で、こちらの製品は1940年代までに製作、販売されたものと思われます。
私は釣りをしませんので、こちらの品々が実用できるかは未確認ですが、眺めながら陽光煌めくイングランドの美しい河や林に想いを馳せてもよし、また、ニンフの別名があるとおり、川面に現れる妖精の姿を求める心の旅に出てもよいでしょう。気の向くままに並べて飾れば、ひょっとしたら絵画よりも雄弁にイングランドの川釣りを物語ってくれるかもしれませんし、もちろん、釣りに詳しい方で使用できると判断されれば、ヴィンテージの疑似餌を実際にお使いになってみてください。

ウイッカムズ・ファンシーの箱にはドライ・フライズ、スプーンが入っている箱にはウエット・フライズの記載があります。
オリジナルボックスについては、買い付け時の情報によります。また、実用できるかどうかは、前述の通り確認しておりません。
古いものですので錆や傷み、汚れがあります。