若い三人の姿がぼんやりと浮かび上がる写真です。それぞれにおめかしをして、面影が似ていることからこの三人は兄弟と思われます。時の流れとともに画像が薄らいでいますが、この夢に出てくるような映像も古い写真ならではの魅力です。
さらに、こういう古い写真の興味深い点は、この人たちがモデルではなく、当時、実在した一般の人たちであることです。何か特別なおりに写真館に行って撮影したのでしょう。その特別な一日とは何だったのか、この三人はその一日をどのように過ごし、その後、各々がどのような人生を送ったのでしょうか。そもそもここはどこなのか。疑問は次から次へと湧いていき、想像の翼はどこまでも広がっていきます。こういう古いものは時間旅行の触媒にもってこいですね。
細めの額の金色が所々はげた古寂びた風合いが、この幻のような写真によく合っています。
時空を超えて現れた少し謎めいた写真が、現代に生きるあなたとその周囲の空気を少し変えてくれることでしょう。

写真額にはデンマーク製との記述があります。こちらはイギリスから買い付けたものですので、写真はイギリスないしはデンマークで撮影されたものと思われます。撮影時期も詳細はわかりませんが、20世紀中頃までと推測されます。
写真、額ともに傷や汚れがあります。