博物画「羊」
版画に手彩色の羊の図版です。彩色による毛並みの表現、その表情や生き生きとした造形など、繊細で見事な仕上がりです。登場する四頭のうち三頭は、種類ではなく生息地が記されています。現代のように豊富な画像も動画もなかった時代の人々の世界観は、今よりもずっと狭いものだったのでしょう。「ほら、ペルシャにはこんな、ギニアにはこんな羊がいるんですよ。」などと語っているように思われます。おまけに多くの角を持つ種類も紹介されています。
一般向けの博物学書籍の挿絵ですが、知識を啓蒙し画像を共有しようという熱意、一般の人たちの科学に対する強い興味関心が滲む一枚です。
科学が専門家から一般の人の手に渡り始めた黎明期、当時の博物画から時代の雰囲気を感じるのも楽しみのひとつなのかもしれません。
19世紀のイギリスで製作されました。サイズは約17×25センチです。
古いものですので皺やシミ、汚れがありますが、画像は十分にお楽しみいただけます。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。