シルバーの表面に施されたモノグラムは M と I でしょう。凝ったモノグラムの裏を返すとそこには少年の写真が納められています。これは亡くなった方の思い出を常に身につけておく、形見のモーニングジュエリーと考えてよいと思います。元は黒く塗装されていた形跡もそのことを裏付けています。
周囲に細やかな刻み装飾を施し、モノグラムも美しい手の込んだ造り、表面が銀色になるまで身につけたこのブローチにどのような物語が秘められているのでしょう。密やかに想い続けたいという気持ちが伝わってきますが、今となっては刻まれたイニシャルと一枚の写真だけが唯一の手がかりです。長い長い旅を経て、今、あなたの手元に来たこのブローチをおともに、あなたも時空を超えた旅に出てはいかがでしょうか。

製作年の詳細は不明ですが、20世紀の初めの頃までのイギリス製と推測されます。
サイズは直径が約3.5センチです。
古いものですのでへこみや傷、汚れがあります。