リービッヒのクラゲカード
クラゲたちを描いて「クラゲの世界」と題された美しいカードです。動画はもちろんカラー写真もない時代に、水の中の生物をどのように描くか、工夫を凝らした表現が素敵です。時に淡く、時に鮮やかな複雑な色彩、躍動する造形、さらにそのクラゲがいる地方の海辺の風俗まで描いているのです。印刷も今とは違うリトグラフで、とても雰囲気がありますね。
19世紀、冷却器にその名を残すリービッヒという高名な化学者がドイツにいました。彼は食品に関する研究をもとに肉エキスを考案し、ロンドンに会社を設立して栄養補助食品として売り出すのですが、直後、栄養学的にはあまり意味がないことがわかってしまいます。しかし、この肉エキスは売れ続けました。美味しかったのです。そのようなわけで嗜好品として成功した肉エキスにつけられたおまけがこのカードで、その名もリービッヒカードと呼ばれました。これには様々なシリーズ、ヨーロッパ中の様々な言語の版が作られ、その美しさからコレクターも生まれています。ちなみにこの肉エキスは、現在では、歴史的に加工食品の走りと認識されています。
こちらは1908年に発表されたフランス語版で、6枚のコンプリートセットです。サイズは約7×11センチです。
古いものですので若干の傷や汚れがありますが、時代の割りにはよい状態です。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。