極めて細やかな銅版、深い陰影で浮かび上がるような立体感のある彩色、豊かな表情と伸びやかな躍動感に満ちた造形、すべてが見事な銅版画です。
妻子と旅に出たヘラクレスが川を渡る際に妻がケンタウロスのネッソスに襲われ、ヘラクレスがネッソスを毒矢で射ようとする場面です。この時、ネッソスは倒され、それが後にヘラクレスの死へと繋がることになる、彼の晩年に近い頃の逸話です。

1732年、フランス、パリで製作され、文章は古いフランス語です。元はギリシャ神話の本の挿絵ですが、古代の神々の時代を雰囲気も豊かに伝えています。書き始めの L の文字に手の込んだ装飾が施されており、こういう意匠や文字も含めて、古い書籍の1ページをお部屋に飾るのも素敵ですね。
サイズは約21.1×26センチです。
古いものですのでシミや傷、汚れがありますが、図版は十分にお楽しみいただけます。