王冠のブローチ
銀色に煌めく王冠のブローチです。しかし、よくみると中央が盾、左右が船の帆のように見えてきます。この意匠は意図的なもので、何か意味ありげですね。
無数に散りばめられたマーカサイトの小さな粒たちが、角度によってそれぞれ銀の光を放ちます。どれも冴え冴えと鋭く、ただ美しいだけでなく、見るものの心を射抜くような迫力があります。台座は銀の純度が92.5%以上のスターリングシルバーで、黒みを帯びてより深まる影から銀の光が放たれる姿を見ていると、静謐なモノトーンの世界で密かに繰り広げられる光と影の戦いを連想してしまいます。
この王冠はその勝者に与えられたものでしょうか。色も音も熱もない、ただ光と影だけの世界の支配者に相応しい盾と帆の王冠とは。謎めいた物語はまだ始まったばかりのようです。
1920年代から30年代、アール・デコの時代のイギリス製です。サイズは、幅の最大が直線で約3.5センチ、縦が約2センチです。
古いものですので若干の傷、汚れがありますが、時代の割りにはよい状態です。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。