ミッドセンチュリーの思い出
世界中を巻き込んだ戦争が終わって兵士達が帰って来ました。しばらくは辛い日々でしたが、やがてみんな家族を持ち、家を建てました。20世紀の半ば、ミッドセンチュリーの始まりです。
「ここの建物にはね、前は大勢集まった頃があってね。僕も若くて、毎日、それは賑やかな日々をおくっていたよ。」
老人はそう話を切り出しながら銀のポットの蓋を開きました。そんな老人の瞳にはどこか寂しげな色が浮かび、少し潤んでいるようでした。
「彼等は…僕の友人達は皆、いったいどこへ行ってしまったんだろうね…」
そう言いながら老人はポットの中のものを一つ一つ丁寧に取り出し、机にそっと広げ始めました。そして突然、私は気が付きました。老人の目元だけでなく、自分の頬にも何故か涙がつたっている事に……。時代は始まり、そして終わったのです。
ミッドセンチュリーを生きた老人の収集品というイメージで、ポットに色々詰め込んでみました。それぞれが物語を秘めたアンティークからヴィンテージまで色々あります。
・ケースの金属ポットの切り抜き「グラマシーパークモダンで洗練された宝物を見つけよう!」
戦争は工業技術も飛躍的に高めました。新しい生活に必要な品物の需要も高まり、それまではできなかった斬新なデザインの日用品が次々と世に出たのです。グラマシーパークはニューヨーク、マンハッタンにある個人所有の公園で、年間使用料を払った人しか入れません。周囲はマンハッタンには珍しい閑静な住宅地で、そこにおしゃれなお店があったのでしょう。
・ブルーの粒を散りばめたブローチ
・ローズピンクのネックレス
第二次世界大戦後の、さあ、またおしゃれをしようという時代のものでしょう。透明感のあるガラスを綺麗にカットしたヴィンテージです。
・ポーカーダイス
・フローズンシャーロット
・ビスクドールヘッド
人形は1900年頃、ドイツの人形工場に埋められたものを掘り出したものです。ダイスは5個を振って瞬時に勝負がつくポーカーをするためのもので、3点はほぼ同時代のものでしょう。
・花のシガレットカード
1960年代くらいのテレビドラマでは、みんな当たり前にタバコを吸っています。このカードはタバコのおまけです。
・ウサギの人形
鉄製のヴィンテージです。立ちません。
・シャンデリアパーツ
クリスタルガラスが素敵です。身に着けるものではないので手を切らないようにご注意ください。
・古い鍵のペンダント
どこの鍵でしょう。謎です。
全て合わせるととてもお買い得なお値段になっています。まだポットにスペースがありますので、さらにおまけをおつけします。どうぞお楽しみに。
ポットのサイズが、開口部が約7×5.4センチ、高さが約12.5センチです。
どれも古いものですので傷、汚れがあります。