青いエナメルが美しいメダイです。その中に冠を戴く聖母マリアの姿が浮かび上がる様は、小さい中にマリア出現の奇跡を見るような心地になります。散りばめられた金色の薔薇も神々しく、これはマリア様の慈愛を表現したものです。
合わせたホーリーカードは少女を祝福する聖母マリアで、「魂の再生」という題が掲げられています。また、裏に何かの記念であるという手書きの文字も見られます。
少女を抱いて天を見上げるマリア様の表情を見ていると、このカードの趣旨とは多分違うのですが "words of wisdom"「叡智の言葉」という語が浮かんできます。
「僕が悩みに沈んでいると感じた時、聖母マリアが現れて、叡智の言葉を言ってくれる　"Let it be" と。」（ビートルズ　レット・イット・ビー 冒頭　訳は私）
それにしてもホーリーカードの図像はどうしてこうも表情豊かに描かれているのでしょう。マリア様のお顔はもちろんその手の表情から少女の髪の柔らかさまで伝わってくるようで、いつも魅せられてしまいます。

メダイ、ホーリーカードともに19世紀から20世紀の初めの頃までのフランス製です。
サイズは、メダイが直径約1×1.5センチ、チェーンは現行品で長さが約44センチです。
どちらも古いものですので傷、汚れがあります。