木と真鍮の天秤
古い天びん秤です。どっしりとした木製の台座に低く構えた真鍮のフォルムが、気を内に溜めながら戦いの時を待つ老剣闘士のような佇まいです。
古い秤は重りは失われることが多いのですが、こちらはいくつか残っています。それはオンスが3点、トーラが2点です。オンスはイギリスで使われる単位ですが、トーラというのは古代インドや南アジアの伝統的な重さの単位で、インドがイギリス領になった後は現地の基本単位となりました。その後も特に金の地金の取り引きに好んで使われるのだそうです。そういうところから想いを巡らせると、この秤はイギリス領インドで作られ、金の取り引きに使われた後、その商人とともにイギリスに渡ったものかもしれません。妄想の力を借りて、時空を超える旅にさらに歩を進めると、喧騒の市場の奥まったところにある、薄暗い商店の古びた机の上にこの秤が置かれている様が浮かんでくるかもしれません。
これまで見てきた様々なドラマを語り出しそうな古い天秤ばかりの魅力にエキゾチックな魔法の粉を少々ふりかけたような、そんな佇まいのお品です。
イギリスで買い付けましたが、前述の通りインドで製作された可能性もあります。製作年は20世紀初めの頃までと思われます。
台座のサイズが約20.4×12.2センチ、全体の高さが約10センチです。
現在、正確に計測できる確認はしておりません。古いものですので傷、汚れがあります。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。