織物用顕微鏡
かつて織物の織りの細かさを測定するために使われた顕微鏡です。これで覗くと、かなり緻密に織られた布でも、織り目の糸一本一本が見えます。右のリングを回すとレンズ部分を横に移動することができ、視野の中央に針と金属に彫られた目盛りも見えますから、それらで一定の範囲の繊維の本数を数えたのでしょう。未だ渋い輝きを残す真鍮の質感と重量感、アナログでとにかく正確に数えようと工夫されたメカニカルな構造が素敵です。
もともとイギリスでは毛織物産業が盛んで、その後、18世紀半ばに産業革命が起こって繊維産業はますます発展したわけですから、19世紀、この器具も工場や布を扱う店舗などで大活躍したことでしょう。現在ではどのようにしているのかは知りませんが、ヴィクトリア朝時代に、巨大産業を背負って立つ小さな機械という気分が今でも周囲に漂っているように感じられます。
19世紀のイギリス製です。サイズは全体が約8.5×6.5センチです。
古いものですので傷、汚れがあります。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。