携帯式日時計
真鍮の日時計です。携帯式のボックスを開けると、収納式の日時計、コンパスなど一式が揃っています。蓋の裏には、アメリカ合衆国の主要都市で使用する際に誤差を修正するために必要な数値が示されています。太陽と地球にまつわって影が動く、ただそれだけの小さなアナログの器具ですが、鈍い金色の姿を見ているだけで魅せられてしまいます。初めてひとりで遠くまで来た少年、はるかな道を行く旅行者、幻の都市を求める冒険家、それとも音もなく運行する宇宙の星々、あなたは何を思い浮かべますか。
昔々、旅人の一大関心事は「日没まであとどれくらい時間があるか。」でした。暗くなる前に近くの宿にたどり着けるのか、それとも野宿の準備をするべきかを判断しなければなりません。暗くなってしまったら何もできないのです。そのような時に日時計は命の綱だったのです。
こちらのお品は1920年代のアメリカ製ですから懐中時計もあったでしょうが、そのような昔の雰囲気を十分にまとっています。製作したアンソニア・クロック・カンパニーは1851年に設立され、1920年当時は、もちろんムーブメントのついた時計を何種類も生産していました。その時計会社がこのような日時計も作っていたのですから、やはり長い歴史に根ざした、いざという時の旅人の必需品という考えはあったのではないでしょうか。
収納ケースのサイズが約5×7.3センチです。
コンパスは引っかかる時もあるようですが、ごく軽く揺すってやると機能するようです。
古いものですので錆や傷、へこみや汚れがあります。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。