綺麗に磨かれた乳白の石がとてもみずみずしいロザリオです。王冠をいただいたハートはマリアの聖心を表し、十字架とともに黒みを帯びて、古い聖堂の中に流れる静謐な空気を感じさせます。
このロザリオには、かつての持ち主がつけたと思われるふたつのメダイがあります。ひとつは聖母出現の奇跡の地、ルルドのもので、当地に巡礼に訪れた際に入手したか、巡礼をした方からいただいたものでしょう。もうひとつは聖ベネディクトのものです。この方は5世紀から6世紀のイタリアの修道士で、修道会を設立し、いくつもの修道院を建て、修道生活の基礎を築いた人として知られています。この聖ベネディクトのメダイには、彼の祝福の言葉と悪霊を祓う言葉が文字を組み合わせて7通り刻まれており、これを身につけることで神の祝福を受け、悪霊を退けることができると言われています。
メダイの銀色が古色を帯びた姿と瑪瑙の質感、クロスやハートのプレートまで、全てがとてもよく調和しています。
合わせたホーリーカードはイエス・キリスト生誕を描いたもので、幼子のイエスと聖母マリアが神々しく表されています。裏面下方に手書きの文も見え、いつかのクリスマスに贈られたカードなのでしょう。
このロザリオとカードは、優しい神々しさを湛えた取り合わせになっています。

ロザリオは20世紀の初めの頃までのフランス製で、ホーリーカードもほぼ同時代のものと推測されます。ロザリオのクロスが約1.9×3センチ、チェーンの部分の長さが約54センチ、クロスとプレートを繋ぐ部分が約9.5センチです。ロザリオは本来、首にかけるものではないため、チェーンを切り離す環がついておりませんのでご注意ください。使用されている白瑪瑙については買い付け時の情報により、その後、正式な鑑定はしておりません。
ホーリーカードは約8×12.5センチです。
どちらも古いものですので切れや傷、シミや汚れがあります。