学校などで使われたクラゲの大型チャートです。水の中を漂うものをどう表現するか。このイラストレーションからは、ただ学術的なだけでなく、その雰囲気を伝えようとする熱意が強く感じられます。
微妙で深い色彩、ゆらゆらと動きを感じさせる造形はぼんやりと曖昧な陰影をまとい、この世界が黒い背景のずっと向こうまで続いているような不思議な感覚すら覚えます。
なんども教室などに掲げられたのでしょう。長い時間に積もったしわや傷などが、幻想的な図像をさらに神秘的な佇まいにしています。今、再びお部屋に掲げて、かつての教室から夢幻の世界へ旅に出てはいかがでしょうか。

作画は画家であるゴットリープ・フォン・コッホ教授、他に生物学者のフリードリヒ・クエンテル博士、教師のハインリヒ・ユングの3人が作製し、ドイツの出版社フロムマン&モリアンに提供したものです。製作年は20世紀の前半までと思われます。サイズは横が約94.5センチ、縦が102センチです。
なんども使用されたものですので、布の裏打ちの上部にさらに補強した跡がありますが、木製の横棒を利用して吊り下げていただける強度がございます。他に、しわや傷、汚れがあります。