天球図や星座の大型の天文チャートです。天文図版にしては珍しい明るい空色が美しく、スペイン語であることから、スペインの抜けるような空の色を意識したものかもしれません。
まずは大きく北天図と南天図が、その下には黄道十二星座が描かれています。チャート全体に数えきれない星々が散りばめられ、しかもこれだけ大きいと、眺めているうちにいつしか自分の身体も宙に浮き、明るい青空を突き抜けて星々に取り巻かれ、天空の世界に遊ぶ心地になります。
地理学者J. フォレスト教授によりパリで製作されたようですが、前述のとおり表記はスペイン語ですので、スペイン語圏の学校などで使われたのでしょう。当時の子供たちも目を輝かせて星の世界に夢中になっていたら素敵ですね。

20世紀中頃までに作られたものと推定されます。サイズは横幅の最大が約131.5センチ、縦の最大が約101センチです。
古いものですので破れや傷み、しわや汚れがありますが、布で裏打ちされておりますので、すぐに崩壊してしまうような状態ではありません。木製の横棒を利用して、吊り下げてお楽しみいただける強度がございます。
元々、教材ですので傷んだら廃棄されるものであり、さらに大型で破損しやすいにもかかわらず、この状態で残っているのは珍しいと思います。