17世紀の古い銅版画をご紹介します。こちらはクリストフ・ヴァイゲル著の"Biblia Ectypa"「絵入り聖書」からの一枚です。聖ペテロはイエス・キリストに従った使徒のひとりで、ローマ帝国の迫害に合う各地のキリスト信徒を勇気づける手紙を書きました。新約聖書に出てくるこの逸話を表した図版です。
精霊を表す白い鳩、光に照らされた聖ペテロ、影になっている所で手紙を筆記する者、迫害を受ける信徒、聖書のエピソードをわかりやすく図解しています。その生き生きした表情、躍動する身体、差し込む神々しい光や深い陰影、その雰囲気まで伝わってくるような豊かで精緻な表現の素晴らしい銅版画です。

クリストフ・ヴァイゲル著「絵入り聖書」は1695年、ドイツ、アウグスブルグで出版されました。ラテン語の読めない人々にも、この絵はわかりやすく、その内容も伝わったことでしょう。
サイズは、フレームの外寸が約43.5×53.5センチです。撮影は反射を防ぐために透明アクリル板を外して行っておりますが、発送時にはアクリル板をはめてお届けします。
これまで多くのイベントで展示しておりますので、額縁およびアクリル板に傷、汚れがあります。図版も古いものですので端の切れや傷み、シミや汚れがありますが図像は十分お楽しみいただけます。