古い手彩色銅版画をご紹介します。こちらはローマ神話のメルクリウス、英語表記ではマーキュリー、言うまでもなくギリシャ神話では神の伝令使と言われたエルメスです。トレードマークの有翼の帽子をかぶり、蛇が巻きついた有翼の杖を持った姿での登場です。商人や旅人の庇護者で、かく言う弊店もお品物をお取り次ぎするという辺りからお名前をお借りしているような次第です。
ここには様々な姿の彼が登場しますが、波乱万丈のエピソードを急ぎ足で巡って紹介している一枚のようです。12世紀ごろからは錬金術とも結び付けられて考えられていたようですが、未だ色彩を残す手彩色、陰影を深めた巧みな表現の銅版からは、彼への畏敬の念が感じられます。

製作国の詳細は不明ですが1719年の製作です。
サイズは、フレームの外寸が約43.5×53.5センチです。撮影は反射を防ぐために透明アクリル板を外して行っておりますが、発送時にはアクリル板をはめてお届けします。
これまで多くのイベントで展示しておりますので、額縁およびアクリル板に傷、汚れがあります。図版も古いものですので端の切れや傷み、シミや汚れがありますが図像は十分お楽しみいただけます。