盛り上がった造形の大型のボグオークのモーニングブローチですが、まずはそのあまり目にした事の無い模様に目を奪われます。曲線と円を組み合わせた摩訶不思議な図形は何を物語っているのでしょうか。
台座は銀の純度が92.5%以上のスターリングシルバーで、落ち着いた銀と深いつや消しの黒が、何故かこの抽象的な意匠とよく調和しています。亡き人を悼むブローチにしてこの佇まいは、何か神秘的な雰囲気さえ漂ってきます。
そして、台座の二股になっているピンを取り外すと、黒いボグオークの部分が取り外せます。売り主はコインホルダースタイルと言っていましたが、この取り外し可能というのもなかなか珍しく、どこまでもミステリアスなお品です。

19世紀後半、ヴィクトリア朝のイギリス製です。ヴィクトリア朝のモーニングジュエリーは、本来、木が化石化したジェットを素材に使うのですが、これは産出量がとても少なく、代替品としてボグオークが使われました。ボグオークもオークが何千年もかけて炭化したものです。
サイズは直径が約3.5センチです。
台座外枠の小さな粒に欠けている箇所があり、古いものですので他に傷、汚れがあります。