ドイツ、ライプチッヒで製作されたリトグラフ北天図をご紹介します。この北天図は、印刷された版によって色味が異なりますが、今回ご紹介するものは地の色が単純な紺色ではなく、やや黒みを帯びて夜空の深みとしっとりとした落ち着きを感じさせます。また、それぞれの星に金色のインクがしっかりとのっており、版によっては全ての星が白色のみというものもある中で、特筆すべき出来のよさです。その姿からは、当時の人々の天空への憧れと畏敬の念が滲みます。
同時にご紹介する南天図と同じ版で、色味も同じですので、北天、南天と並べてもよいでしょう。

1900年頃の製作で、図版にかぶせる説明用のハトロン紙がついておりますが、裏に折り込んであります。写真は反射防止の為、アクリル板を抜いて撮影しました。実際には木製額にアクリル板が入ります。額のサイズは大衣版、外寸約52.5×41センチです。
額はイベントなどでの展示に何度も使用しましたので、傷、汚れがあります。また、図版も古いものですので傷、汚れがありますが、色彩、図像は十分に楽しんでいただけます。