微笑む子供の姿のイエスのホーリーカードと、対照的にイエス・キリストの受難の重みを感じさせるような十字架のセットです。
ホーリーカードでは天使たちに伴われて幼子のイエス・キリストに祈りを捧げています。周囲に施されたレース状の切り紙細工、カニヴェも見事で、キリストに捧げられた聖堂のようです。裏面には「救い主を讃える」と題された文があり、その周囲には綺麗な手書きの筆記体で文字が書きつけてあります。解読しづらいのですが、どなたかの聖体拝領の記念であるようです。聖体拝領はキリスト教の大切な行事ですが、着飾り、美味しいものを食べる、子どもにとってはお祭りのような1日だったことでしょう。そんな記念にふさわしいカードです。
十字架は、木製、あるいはそれを模したクロスを金属で覆い、小さいながらも作法通りに作られたものです。銀色と黒のシンプルなコントラストが、古色を帯びて陰影を深めた十字架上のイエス像の雰囲気をさらに深いものにしています。
イエス・キリストにまつわる光と陰を形にしたようなカードとクロスです。

ホーリーカードは19世紀後半から20世紀初めの頃までのフランス製で、十字架もほぼ同時代のものと思われます。
サイズは、カードが約6×10.5センチ、十字架が約1.7×3.2センチ、チェーンは現行品で長さが約42センチです。
両方とも古いものですので傷、汚れがあります。