アンテロープの角
動きを感じさせる湾曲したフォルム、大振りな姿から漂う迫力と存在感、自然が作り出した造形が素晴らしいアンテロープの角です。アンテロープはウシ科の動物で主にアフリカに生息し、細身でその走力は最大時速100kmに達する地上で最速の生物のひとつに数えられます。
こちらの角の標本も、頭骨の付け根から角の先端までが直線で約42センチ、左右の角の先端の距離が約28センチのサイズで長さもあるため細身に見えますが、実際はがっしりとして表面は大胆にうねり、野生の力強さが濃厚に漂います。さらに黒みを帯びた複雑な色彩が光と陰をまとい、どこか神秘的な美しささえ感じられます。
実は、この角は多くの地域で医学や魔術の象徴として扱われています。また、キリスト教では、旧約、新約の聖書をキリスト教徒が持つふたつの霊的な武器とし、この2本の角がそれを象徴するとされているのです。自然が創り出したこの姿を眺めていると、それも腑に落ちますね。
別の世界では、この俊足の動物は風の神です。いきなり全体像を提示されるのではなく、その一部であるこの角から全体像を幻のように自らの脳裏に浮かべてみるとよいかもしれません。
製作年ははっきりしませんが、20世紀中頃までのフランス製と思われます。
角のサイズは前述の通りで、台座は木製で約16×21センチです。裏に壁掛け用の穴があります。
古いものですのでひびや傷、汚れがありますが、すぐに崩壊するような状態ではありません。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。