穏やかな夕暮れの海を見ているような気持ちにさせてくれるオパールセントガラスの香水瓶です。オパールセントガラスはガラスらしからぬ柔らかな質感で、薄暗い室内では青白く、光を浴びるとレモン色やアプリコットなどの遊色を浮かべます。
こちらの蓋部分はぼんやりと青白いクラゲのような姿で、光の加減で青が少し緑がかり、アプリコットの煌めきを内に含むような景色になります。クラゲが実際に夕陽に染まることはないかもしれませんが、それは夢の中に出てくるような幻想的な光景です。
本体部分は対照的に、オパールセントガラスとしては珍しく、うっすらと青白いガラスに透明感がある涼やかな佇まいです。それが光を浴びるとほんのりとレモン色の遊色を浮かべますが、むしろ透明感を増して、まるで自分が包まれている大気が全てレモン色に染まったような光景になります。このようなことも実際にはないのかもしれませんが、不思議な夢でも見たような感じです。
薄暗い室内で、室内光で、また、窓辺の自然光で、様々に移り変わる幻のようなオパールセントガラスの表情をぜひお楽しみください。

1920年代から30年代、アール・デコの時代のフランス製です。サイズは、高さが約15.5センチです。
古いものですので若干の傷、汚れがあります。