血色の良い頬と愛らしい唇、どこか遠くを見ているような美しい瞳、ビスクドールを思い浮かべた時にまずイメージするような人形です。ふくよかで豪華であっても愛らしさは打ち消される事のない佇まいがとても魅力的だと思います。
ドイツ、ゲブリューダー・キューレンツ社製です。当社は1880年代に創業し、フランスにビスクヘッドを供給していましたが、同社のメーカーズマークを刻んだドールも製造していました。こちらは1930年代まで、すなわち第二次世界大戦前に造られたものと推測されます。
ドレスは手縫いのようで、古いものですがオリジナルではないようです。ブーツは20世紀後半のもので、ウイッグは日本及び韓国製ですが、海外でも広く用いられているものです。
このドールはフランスで買い付けましたが、ドレスなどはかつての持ち主によって当地で着せ替えられたヴィンテージと思われます。何れにしても、手縫のドレスなどその装いには、長らく愛された彼女の人生が感じられます。
自立はできませんが両手両足に関節があり、ある程度ポーズを変え、座る事も可能ですので、どこか素敵な景色と共に写真撮影などをしても素敵かもしれませんね。

本体のサイズは身長が約45センチです。ヘッドとハンドがビスクで、それ以外は革製で中に藁が詰められています。
古いものですので本体、ドレスなどともに傷みや汚れがあります。