パンタローネの仮面
イタリアの即興喜劇コンメディア・デッラルテで使用される仮面です。16世紀中頃に生まれたこの演劇は、仮面に象徴されるキャラクターをその仮面をつけた役者が即興でユーモラスに演じるというものです。
こちらの仮面は貪欲で金にうるさい、ケチな老商人であるパンタローネの仮面です。そんな彼の素性を知らなければ、表面的には悲しげ…あるいは老いた苦痛の顔にも見えるでしょう。
しかし口元部分が作られていない事も相まって、じっくりこの仮面に向き合うと余計に彼のずる賢さが露骨に現れているような気がしてきます。この老商人の商売上の企みが、召使いによって妨害されるのがお決まりのパターンなのだそうですが、そこで展開される悲喜劇は、その滑稽さの中にふと我に帰って胸を突かれるような場面がありそうですね。そういえばシェイクスピアもこの即興喜劇には大きな影響を受けたのです。
自分がこの仮面を笑っているのか、この仮面に笑われているのか…あるいはこの仮面をつけて一体何を笑うのか……その悲しげな表情の意味とはなんなのか。色々と空想をかき立てられますね。
20世紀初めの頃までのイタリア製で、サイズは横幅が直線で約16.5センチ、縦に最大が約18.5センチです。
実際に演劇などで使用したものと思われ、古いものですので傷、汚れがあります。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。