天界の門のフレームとデスカード
天使に誘われる女性のデスカードを漆黒のフレームに入れてみました。デスカードはフューネラルホーリーカードとも呼ばれ、お葬式で参列者に配られるものです。そのため、静謐な雰囲気で亡くなった方を悼む気持ちが伝わる絵柄が多いのですが、1903年に亡くなった方のこちらのカードも黒に銀を使った意匠がフレームと完全に調和しています。
フレームには薔薇を始め様々な花やリボンが浮き彫りにされていますが、全てが黒く静まり返る雰囲気の中、陰影を深めた装飾の美しさからも哀しみや寂しさが滲むような気がします。
地上の災厄を逃れ天使とともに昇天する女性には銀の星が飾られ、悲哀や寂寞をも内包した美しい花々を目の当たりにする時、日常を生きている我々は「死とは、生とはなんであるか」を問われているように思えてきます。
黒のフレームはブロンズ像で有名な「地獄の門」を連想させますが、亡くなった方の冥福を祈るこちらのフレームとカードは反対に天界の門という名前が相応しいでしょう。天界への門の前で、天と地のそれぞれに想いを馳せてみてはいかがでしょう。
デスカードは1903年のドイツ製で、フレームの製作年の詳細ははっきりしませんが、ほぼ同年代かもう少し古いフランス製と推測されます。
サイズは、フレームの横と縦の最大が約19×25センチ、カードは約7×11センチです。
デスカードは粘着力が最弱の両面テープで固定してあります。どちらも古いものですので傷や錆、汚れがあります。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。