ウランガラスのカップ
大振りなウランガラスのカップです。薄暗い屋内では透明感のある涼やかな黄色にやや緑を帯びた色みが、室内光では緑を増し、太陽光の元ではさらに色を濃くして輝くような瑞々しい黄緑色になります。下部に球体を埋め込んだようなデザインでステムも太くたっぷりとしていることから、まるでガラス内に淡い黄緑の液体を満たしたような質感です。
全体が眼のような曲線のシンボルに覆われ、上部には靄がかかる意匠は、どこか呪術的な雰囲気すら漂います。このカップを単体で飾っても存在感がありますし、植物をラフに活けても全体としてユニークなオブジェになるでしょう。
手元にブラックライトがないので確認はしておりませんが、ブラックライトを照らすと黄緑の燐光を発するはずです。しかし、前述のように太陽光でも光沢のある黄緑色を増します。ウランガラスは19世紀前半からありましたが、そのころは紫外線を照射する技術がなく、夜明けや夕暮れの太陽光で燐光を鑑賞したとされています。このように様々な光の元で、変化する光と色彩を楽しまれてはいかがでしょうか。
なお、使用されているウランの量は微量で、人体を含めて自然界に存在するものが発する放射線と同程度の放射線量ということですので、特段の危険性はないものと思われます。
製作地、製作年ともに不明ですが、ウランガラス製作の歴史に鑑み1940年代までに作られたものと推測されます。
サイズは、開口部の直径が約9.1センチ、高さが約15.5センチです。
古いものですので若干の傷、汚れがあります。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。