小さな羽根の天使とライオンが彫られた印章ペンダントです。この天使はキューピッドでしょうか。ライオンも後足で立ち上がり握手をしているようにも見えるのですが、この場面を示唆するようなエピソードはちょっと見つかりませんでした。このふたりの間に何があったのでしょう。何れにしても、天使とライオンとは、とても魅力的な題材です。両者の姿ともに精緻に彫られており、印影をとることができます。
印章面はクリアなガラスのようですが、裏に赤い彩色の模様があり、画面をドラマティックに演出しています。
ペンダントの台座は金色の金属で、印章部分が回転するのは封蝋に印を押す際に便利なようにでしょう。印章の反対面は眼をモチーフにしたのでしょうか、細かい点描や模様も施されたどこか神秘的な意匠になっています。印章を支える球体のグラデーションも、やはり意味ありげです。
いずれかの秘密結社のものででもあるのか、印章もその造りも、全てがどうにも心惹かれる佇まいのペンダントです。

20世紀前半までのイギリス製と推測されます。サイズは印章部分が約2.5×2センチ、チェーンは現行品で長さが約42センチです。
古いものですので傷、汚れがあります。