金彩に赤が印象的なグラスです。しっとりと落ち着いた金色に黒みを帯びた赤、縁取りや小さな模様を白く散りばめた意匠は、上品な華やかさと陽気な快活さを兼ね備えています。薄く曇らせたガラスとそこに施された植物の繊細な表現とのコラボレーションが見事です。
花や葉は生き生きとして踊っているようですが、それは決して賑やかなパーティではなく、あなたとだけの時間を楽しんでいるように見えます。それは、このグラスが醸し出すとても穏やかでエレガントな雰囲気のせいでしょう。
そんなグラスですから、ひとりの時間にゆっくりとお酒などを楽しんでもよいですし、自分だけのためにお花を活けてみるのも素敵ですね。
赤ワインとソーダのピンク、ウイスキーソーダの薄い金色も合うかもしれません。ちょっと個人的な趣味で失礼しました。
何れにしても、このグラスを見ていると、不思議と一日のあらゆる何気ない事が深く充実した物事のように感じ、ゆるく穏やかな気持ちにさせてくれるような気がします。

20世紀の初めの頃までのチェコ、ボヘミア製です。サイズは、開口部が約7センチ、高さが約14.5センチです。
古いものですので彩色に剥げや擦れがあり、傷、汚れがあります。