聖堂のモーニングブローチ
黒い木に古寂びた聖堂を彫り込んだブローチです。この素材自体、オークが数千年かけて炭化したボグオークですので、題材にこれほどふさわしい素材もないでしょう。
1861年、夫アルバート公を亡くしたヴィクトリア女王は、その後、10年以上にわたって喪に服します。自ら喪服と喪の装飾品であるモーニングジュエリーをまとった他、宮殿で働く人々にも喪服を着用させました。それまで華やかなジュエリーセットが流行していた社交界も女王の服装を真似るようになり、それは次第に庶民へも拡がって行ったのです。
このようにして黒い装飾品が19世紀後半のイギリスに流行ります。本来、その素材は木が化石化したジェットだったのですが、それは産出量が少なく、その第一の代替品が前述のボグオークでした。
時の流れが降り積もった木材を使って古い聖堂を彫ったのですから、その姿だけでなく肌触りから薄暗い陰影、周囲に漂う空気感までリアルに感じられるのも頷けます。
19世紀後半、ヴィクトリア朝のイギリス製で、サイズは直径が約4センチです。
古いものですので傷、汚れがあります。
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