髑髏付き十字架とデスカード
作法通り芯に木材を入れて作られた十字架で、イエス・キリストの足元には髑髏が置かれています。第2次世界大戦以前、聖職者用の十字架にはこのように髑髏が置かれたのですが、ナチスドイツが髑髏をデザインしたマークを使ったため、その後は置かれなくなったのです。従って、こちらは少なくとも第2次世界大戦より前の聖職者用のものと考えられます。小振りですが十字架の裏にはキリストの聖心を表す燃える心臓があり、手の込んだ作りになっています。
イエスが処刑されたゴルゴダの丘にはアダムの骨が埋まっていると言われており、この髑髏はアダムの髑髏であり死を象徴するようです。その上にイエス像がある事で死と原罪の超越を表しているのだそうです。
合わせたデスカードは花輪を掛けた十字架に鳩の絵柄ですが、この鳩は聖霊の象徴でしょう。裏に印刷がないのですが、絵の下に「私の心は張り裂けています。憐れみたまえ、慈悲深いイエスよ!」という文がありますので、これは亡くなった方のことについて記して葬儀で配る前のデッドストックか見本のカードだったと思われます。
お参りや巡礼の記念のホーリーカードと違い、デスカードには静謐な雰囲気が漂い、そこから遺された方々の想いが滲んでくるようです。
十字架は1930年代までのフランス製で、サイズは約2.8×5.8センチ、チェーンは現行品で長さが約43センチです。
カードはもう少し古く19世紀から20世紀初頭までのフランス製と思われ、約7×10.7センチです。
十字架、カードともに古いものですので汚れ、傷みがあります。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。