アルマナックは「生活暦」などと訳しますが、生活に必要な情報を盛り込んだ暦のことです。こちらは "Huters Astrologischer Kalender"「ヒュッターの占星術カレンダー」と題した、特に占星術に特化した暦の1959年版です。
まずは編者 Verlag Heinrich Huter による序文があり、占星術についての説明の後、カレンダーが始まります。さすがアルマナックだけあって、毎日、何や彼やと書いてありますが、例えば1959年5月1日は些細な不都合は見逃した方がよさそうです。
そんなことは、いまさら知っても完全に手遅れではありますが、この本はそのあとも大変充実していて、占星術によるこの年の運勢などがこれでもかと出てきます。
さて、占星術でホロスコープを用いる際に「ハウス」という概念があるのだそうですが、まさにそのことに言及したページに、かつての持ち主が作成したと思われる手書きのホロスコープが挟み込まれていました。それには1888年に生まれた方の誕生の時の天体の配置が書き込まれ、これからの運勢を占っているようです。
あとの方には「性格と運命をどう考えますか？」などとの問いがあり、それぞれの星座の有名人が記されています。それによると、山羊座にはリチャード・ニクソン、魚座にはエリザベス・テーラーの名前が見えますね。
このように、本にはページをめくるたびに溢れてくる滋味を味わうような楽しみがあります。ドイツ語ではありますが、私でさえ翻訳ツールを駆使してこのような紹介文を書くことができたのです。占星術にご興味をお持ちの皆さん、どうかお手元でゆっくりとお楽しみになってはいかがでしょうか。

1958年、ドイツ、シュツットガルトにて出版されました。サイズは約15.5×21.3センチ、厚さが約1センチのペーパーバックです。
古いものですので傷やしみ、汚れがありますが十分お読みいただけます。