美しい煙水晶を一粒、中央に置いた花のようなブローチです。色味は焦茶色からもっと彩度を落としてシックにした感じなのですが、何と言っても清らかに澄んだ透明感が印象的です。瑞々しく光を含むだけでなく、綺麗にカットされた石が光の角度によって煌めく様は、落ち着いた色調と相まって本当にエレガントです。
台座は銀の純度が92.5%以上のスターリングシルバーで、素材そのものの渋い質感と開いた花のような意匠が水晶の上品な佇まいをさらに引き立てています。
こちらのブローチはスコットランドの首都、エジンバラのオフィスで1972年にシルバーの検定を受けたとの刻印があり、また、スコットランドの宝飾デザイナー Robert Allison のマークもあります。スコットランドと言えば、東部高地のケアンゴームズは水晶の産地であり、"cairngorm"「ケアンゴーム」は「煙水晶」を意味する普通名詞にもなっています。こちらのお品がケアンゴームズ産であるという情報はないのですが、スコットランドのデザイナーが手掛けたものであり、当地の検定所とくればこれがケアンゴームズの煙水晶である可能性はあると思います。

サイズは全体の直径が約3.7センチです。
煙水晶ついては買い付け時の情報により、その後、正式な鑑定はしておりません。
古いものですので傷、汚れがありますが、時代の割りには石の状態はよいようです。