エドマンド・デュラック「アラビアンナイト」
エドマンド・デュラックは20世紀の初め、「挿絵の黄金時代」と呼ばれたイギリスで活躍した挿絵画家です。この頃は、上質な挿絵を満載した豪華な本が次々と出版され、多くの挿絵画家が登場しますが、彼はその中でも人気を二分する存在であり、画廊で原画展なども催されました。
元々、エキゾチックで神秘的な画風、繊細なタッチと多彩な色彩で人々を魅了してきた彼にとってアラビアンナイトはまさにぴったりだった言えます。この本にも、そんな彼の魅力を余すことなく伝える34枚の挿絵が全て納められています。
この時代の挿絵はジャポニスムの影響を指摘する声もありますが、この本の挿絵もアラビアだけでなくアジアや日本の雰囲気も感じられ、幻想的なだけでなく、よりエキゾチックで、見れば見るほどその物語の世界に引き込まれる絵になっています。
売り主による情報では1920年頃の出版とのことですが、アラビアンナイトの初版はイギリスで1907年ですので、この本の出版および製本ももう少し古いものかもしれません。
サイズは約16.5×24センチ、厚さは約4センチです。
表紙のイラストの他、見開きにも魔法のランプがあるなど凝った製本です。文字ページの194~195ページが、仮綴じ本を切り開く際に少しギザギザにしてしまった跡があります。古いものですので他にも傷や汚れ、綴じが緩くなっている箇所があります。
挿絵は説明書きを加えたページに端を糊でとめられ、時代の割りには全てがよい状態です。
こちらの商品は店頭展示品のため、売り切れの場合がございます。また、古いもの性質上、汚れや傷もございます。どうぞご理解下さいませ。